ワインと料理の合わせ方
前編では、白ワインと赤ワインの違い、ブドウ品種、ワインの味わい方をお話ししました。ワインの基礎知識をおさえたら、ふだん家で食べる料理とワインを合わせてみましょう。ワインはスペシャルな料理を食べるときに飲むもの、と思っているかたも多いと思いますが、ワインはデイリーな食事にも合わせることができるのです。でも、ワインと料理を合わせる際には、ちょっとだけ注意が必要です。白ワインと赤ワインは味わいが大きく異なるため、料理によって、白にするか赤にするかのジャッジをしなくてはなりません。ワインと料理の共通点「色」
ワインと料理の合わせるときに、ワインと料理の「共通点」を見つけましょう。まずは、「色」の共通点です。白ワインには白っぽい色の料理を、赤ワインには赤っぽい色の料理を合わせましょう。これならすぐ実践できますよね。白ワインに合う料理
白ワインには、白身魚、白っぽいソースの白身肉、野菜のグラタン(ホワイトソース、チーズ)などを合わせてみましょう。白っぽいソースとは、塩味のオイルベースのソース、バターソース、白ワインソースです。「白ワインには魚、赤ワインには肉」とよくいわれていますが、鶏肉のソテーなら白ワインを合わせることができるのです。
赤ワインに合う料理
赤ワインには、赤身魚、赤いソースの白身肉、赤身肉などが合います。赤いソースとは、トマトソース、赤ワインソースです。同じ鶏肉でも、トマトで煮込んだ場合は、白ワインより赤ワインのほうが合うということになります。
ワインと料理の共通点「重さ」
ワインと料理の色を合わせることを覚えたら、次に「重さ」に注目しましょう。白ワインにも、すっきりしている軽めのものと、まろやかで口の中で余韻が続く重めのものがあります。赤ワインにも、フルーティーで軽めのものと、濃厚でしっかりしている重めのものがあります。軽めのワインにはライトな料理を、重めのワインにはこってりしている料理を合わせると、ワインと料理をさらにおいしく楽しむことができます。重さを合わせる場合は、「色」を合わせてから「重さ」を合わせるとよいでしょう。 さっぱりしている白身魚のお刺身にはすっきりした軽めの白ワインを、濃厚なバターソースの鶏肉にはまろやかな重めの白ワインを合わせてみましょう。また、ライトなトマトソースのパスタにはフルーティーで軽めの赤ワイン、ジューシーな牛肉の赤ワイン煮込みには重めの赤ワインを合わせてみましょう。 ワインと料理の味がマッチすることを「マリアージュ」といいます。マリアージュとは「結婚」という意味のフランス語で、ワインを飲みながら料理を食べることでおたがいの味がよりおいしくなる組み合わせのことです。マリアージュを楽しむことができるようになると、ワインと合わせて食事をすることが至福の時間となります。 日常の食卓に、いろいろなワインを合わせてみてマリアージュを楽しんでみてください。でも、合わなくても気にしないでください!「このワインとこの料理はあまり合わないんだな」と体験することもマリアージュを楽しむうえでの過程です。気軽にいろいろトライしてみてください。 いろいろ試してみるにも、何のワインを買ったらいいかわからないかたは、ベストセラーワインがおすすめです。コストパフォーマンスがいい、だれにでも愛される味わい、有名ワイナリー、世界的評価の高いワイン、有機栽培など、売れている理由はさまざまですが、人気のワインは親しみやすいフレーバーだったり、口当たりがよいことが多く、食事とも合わせやすいのでおすすめです。
ワインの温度
ワインを日常的に楽しむことときに、少し気を使いたいのがワインの温度です。ワインは温度によって、味わいが変化します。最適な温度でないと、ワインのおいしさが半減してしまいます。レストランでは最適温度でサーブしてくれますのであまり気にする必要はありませんが、家でワインを飲むときは、温度を意識すると、ワインをおいしく飲むことができます。温度によるワインの味わいの変化
ワインの香りと味わいは、温度に影響を受けやすくデリケートです。ワインの温度を下げると、フレッシュな印象になります。酸味が一段と感じられ、シャープな味わいになります。また、甘みは感じにくくなり、渋みが強く感じられます。 温度が高い白ワインを飲むと、なんだかキレが悪く、すっきりしないものですが、冷やすことでさわやかな味わいになります。 一方、ワインの温度を上げると、香りを感じやすくなります。酸味がやわらかく感じられ、よりふくよかな味わいになります。甘みがより強く感じられ、渋みはまろやかになります。温度の低い赤ワインを飲むと、渋みが強く感じられることがありますが、グラスに注いでからしばらくすると温度が上がり、華やかな香りでまろやかな味わいになります。ワインの最適温度
ワインの種類とタイプごとの最適温度をぜひ覚えておきましょう。そして、家でワインを飲むときの目安にしてみてください。 スパークリングワイン・・・6~8度 白ワイン(甘口)・・・6~8度 白ワイン(辛口)・・・8度~12度 赤ワイン(ライトボディ)・・・12~14度 赤ワイン(ミディアムボディ)・・・14度~16度 赤ワイン(フルボディ)・・・16~18度 「白ワインは冷やして、赤ワインは室温で」とよくいわれていますが、「室温」というのはワイン大国のフランスやイタリアの室温のことで、日本の室温とは異なります。日本の夏は暑く、冬も暖房で温かい場合が多いので、ライト~ミディアムボディの赤ワインは1時間ほど冷蔵庫で冷やすとよいでしょう。ワイングラス
家でワインを楽しむには、グラスが必要です。どんなグラスでもワインを飲むことはできますが、ワイングラスを徐々にそろえていくとワインをより一層楽しむことができます。
ワイングラスの種類
ワインはグラスの大きさと形によって、香りと味わいが異なって感じられます。ボウルと呼ばれる丸みを帯びた部分は、ワインの香りが際立つよう計算されて作られています。また、グラスにより口に入るワインの量、広がり方が変わってきますので、感じられる味わいが異なります。
万能型
万能型は、本来白ワイン用のグラスですが、大きくもなく小さくもないサイズで、白ワインでも赤ワインでも使うことができます。まずは、万能型のワイングラスを手に入れるとよいでしょう。
フルート型
フルート型は、縦長のグラスで、スパークリング用です。なくてもよいですが、この型のグラスは泡立ちを長く保つことができるので、スパークリングワインをより楽しむことができます。あると便利なので、万能型の次にほしいワイングラスです。
ボルドー型
ボルドー型は、やや大きめのワイングラスで、ボウルの部分はチューリップの花のような縦長のゆるやかなカーブを描いています。名前の通り、ボルドーのワインを飲むときに使うグラスですが、ボルドーのワインでなくとも、赤ワインの香りがより際立って感じられ、まろやかな味わいを堪能することができます。ゆくゆくはほしいワイングラスです。まとめ
ワインの詳しいことを知らなくても、基礎さえおさえていればワインをおいしく飲むことができます。ぜひ日常の食卓にワインを取り入れて、ワインライフに足を踏み入れてください。人生が豊かになること間違いなし!です。
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