ランブルスコを日常の食卓に!

ランブルスコを日常の食卓に!

イタリア旅行協会(ツーリング・クラブ・イタリアーノ)が発行しているワインガイド『ヴィーニブォーニ・ディタリア』2022年版で、ふたつのランブルスコが最高賞の「コローナ(王冠の意)」に輝きました。

最高賞に輝いたランブルスコ

ランブルスコとは、イタリアのエミリア・ロマーニャ州で造られる微発泡のワインで(一部、ロンバルディア州でも造られます)、アルコール度数が低めで、軽やかな飲み口、フルーティーな味わいです。お手頃な価格も人気の理由となっているワイン。そんなポピュラーなワインが最高賞を獲得したということで、ちょっとした話題になっています。

『ヴィーニブォーニ・ディタリア』は、300年以上栽培されているイタリアの土着品種のワインを審査します。21人の審査員により、904のワインが最終選考に残りました。そして、キアルリのランブルスコ・デル・フォンダトーレ2020年と、ヴェッキア・モデナ・プレミアム2020年が最高賞に選ばれました。

キアルリは1860年から続くファミリー経営のワイナリーで、現在の当主は5代目となります。100ヘクタールのブドウ畑を所有し、年間約95万本を生産しています。

ランブルスコ・デル・フォンダトーレは、シャンパーニュ製法の瓶内二次発酵で造られるランブルスコです。フローラルな香りと果実のアロマが広がり、しなやかでエレガントな味わいのワインです。

一方、ヴェッキア・モデナ・プレミアムは、1900年のパリ万博で「Mention Honorable」を受賞しました。エチケットは、受賞の際のデザインになっていて、歴史を感じさせます。イチゴやミックスベリーの香りはフレッシュで、いきいきとしたミネラル感があり、同時に、なめらかで心地よい口当たりです。どちらもランブルスコ・ディ・ソルバーラDOCです。

ランブルスコ・デル・フォンダトーレは、『ワイン・スペクテイター』2018年のトップ100に入ったり、『ガンベロロッソ』でも最高賞のトレビッキエリを何度も獲得したりと実力を見せつけてきました。また、ヴェッキア・モデナ・プレミアムは、ランブルスコ史上初めて『ガンベロロッソ』2010年の最高賞トレビッキエリ、『ドゥエミラヴィーニ』2013年の最高賞チンクエグラッポリを受賞したワインで、『ビベンダ』2019年で最高賞のチンクエグラッポリを獲得しています。

今回は、これらのランブルスコが、ダブルでコローナを手にしたのです。

ランブルスコとは

ランブルスコは、一般的には飲みやすいワインとして知られていて、ほどよい甘みと渋みがあり、酸味のバランスが取れています。アルコール度数が8~11%と低めで、ワイン初心者でも親しみやすい味わいです。

ランブルスコ・ワインは、ランブルスコ種から造られ、その多くは赤ワインですが、白やロゼもあり、甘口、辛口とあります。

ランブルスコ種は多数あり、そのなかでも代表的なものは、ランブルスコ・ディ・ソルバーラ、ランブルスコ・グラスパロッサ・ディ・カステルヴェトロ、ランブルスコ・ディ・サラミーノ・ディ・サンタ・クローチェです。

ランブルスコ・ディ・ソルバーラは、フレッシュでスミレのニュアンスのあるエレガントな味わいのワインです。

ランブルスコ・グラスパロッサ・ディ・カステルヴェトロは、色が濃く、よりタンニンがあり、重厚感のある味わいとなります。

ランブルスコ・ディ・サラミーノ・ディ・サンタ・クローチェは、ソルバーラとグラスパロッサ・ディ・カステルヴェトロの中間的な味わいといえます。

ランブルスコのペアリング

エミリア・ロマーニャ州は美食の地としても有名で、パルミジャーノ・レッジャーノ、パルマ産生ハム、モルタデッラ(ボローニャ・ソーセージ)、モデナ産バルサミコ酢など、イタリアが誇る食材の産地です。そして、ラザニア、ボロネーゼ(ミートソース)など、イタリアを代表する料理の発祥の地でもあります。

「郷土料理には、その地のワインを合わせる」というイタリアのペアリングの法則通り、ラザニアやボロネーゼには、ランブルスコが合うこと、この上なし。ボリューミーで食べごたえのあるラザニアやボロネーゼは、さわやかなランブルスコがぴったりなのです。

また、パルミジャーノやモルタデッラをつまみながらランブルスコを飲むというアペリティーボも外せません。

ランブルスコは、フードフレンドリーなワインですので、エミリア・ロマーニャ州の郷土料理でなくとも、もちろんペアリングOK。焼肉、ハンバーグなどの肉料理や、中華料理やエスニック料理ともマッチします。気軽に食事に取り入れやすいワインですので、お気に入りのランブルスコを見つけて、デイリーに楽しんでみてください。

おすすめランブルスコ

ドネリ/ ランブルスコ ディ ソルバーラ セッコ スカリエッティ ボトル 750ml・赤ワイン泡 スパークリング

ドネリは、1915年アドルフォ・ドネリ氏によって設立されたワイナリーです。現在も彼のパッションが受け継がれていて、土地と伝統を尊重したワイン造りがおこなわれています。

ドネリのランブルスコ・ディ・ソルバーラは、イチゴの華やかな香りが広がります。タンニンはやわらかで、味わいはしっかりとした辛口のランブルスコです。

スカリエッティ・ボトルとは、F1フェラーリのデザイナーであるセルジオ・スカリエッティ氏がデザインしたシリーズで、スタイリッシュなビジュアルも人気。

人気ワイン カビッキオーリ/ ランブルスコ ロッソ ソルバーラ セッコ [NV] 750ml・赤ワイン 微発泡 スパークリング

 

カビッキオーリは、ウンベルト・カビッキオーリ氏が1928年に設立したワイナリーです。彼のランブルスコへの思いが代々受け継がれ、カビッキオーリは、いまやランブルスコを代表する大手ワイナリーとなりました。

このランブルスコ・ロッソ・ソルバーラ セッコは、「トレ・メダリエ(3つのメダルの意)」シリーズで、伝統にこだわり造られるランブルスコ。

果実味とフレッシュな酸味、辛口で食中酒にぴったりです。

カンティーナ ディ ソリエーラ ランブルスコ ディ ソルバーラ セッコ [NV] 750ml 赤泡

 

カンティーナ・ディ・ソリエーラは、1923年創業のカンティーナ・リミディがワイン生産者を結集させて設立した協同組合です。徐々に加盟生産者が増え、現在は442となっています。加盟生産者は、モデナ周辺に位置していて、そこは砂質と粘土質の土壌が広がっています。砂質はワインをエレガントにし、粘土質はワインにストラクチャーを与えます。ソリエーラとは、「日当たりのよい場所」という意味のラテン語「ソラリウム」に由来し、その名のとおり、日当たりがよく、ブドウの栽培に理想的な環境となっています。

このランブルスコ・ディ・ソルバーラは、バラやスミレなどの花、イチゴなどの果実の香りが広がり、華やか。辛口で、口当たりはなめらかです。魚介料理とも合わせることができる繊細な味わいです。カンティーナ・ディ・ソリエーラは、寿司とのペアリングも推奨していますので、ぜひ試してみてください。

カンティーナ ディ ソリエーラ ランブルスコ グラスパロッサ ディ カステルヴェトロ ドルチェ [NV] 750ml・赤泡

 

カンティーナ・ディ・ソリエーラが造る甘口のランブルスコ。チェリーのような果実の香りといきいきとした泡が心地よく、チャーミングな味わいです。甘口ですので、スパイシーな料理とマリアージュします。また、バーベキューにもおすすめです。フルーツポンチ、フルーツジャムのタルトなど、スイーツとペアリングすることもできます。

まとめ

食欲の秋。気温が下がってきて、食欲が増している今日この頃。ランブルスコを冷やして、おいしい料理とさわやかなワインを楽しみたいものです。

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