こんにちは、ワインネーション編集部です!🍷
前回の第1部では、濁りワインとペットナットの基礎知識をお届けしました。
「濁りの正体は澱(おり)」というお話、覚えていただけましたか?
今回はその続き、実践編です。
「買ってみたけれど、どう飲めばいいの?」
「開ける前に振るって本当?」
「どんな料理に合わせればいいの?」
そんな素朴な疑問に、ひとつずつお答えしていきます。読み終わるころには、濁りワインが食卓の定番になっているはずです✨
開栓前に振るべき?濁りワインの「ひと振り」の真実
濁りワインについて調べると、必ず出てくるのが「飲む前にボトルを振る」という話。これは本当なのでしょうか?
結論から言うと、好みで選んでよいのが正直なところです。ただし、意味を知っておくと選びやすくなります。
- 振る派:瓶底に沈んだ澱を液体と混ぜることで、酵母由来の旨みと香りが一体になり、ワインの本来の姿が引き出されると言われます。ロンドンのレストラングループでワイン責任者を務めるザイナブ・マジェリコワ氏も、振ってから開けることを勧めています
- 振らない派:上澄みだけを楽しめば、すっきりとクリアな味わいに。澱の苦みや酵母感が苦手な方はこちらがおすすめ
迷ったら、グラスに注ぐ前にボトルを2〜3回やさしく回す程度から試してみてください。振りすぎると泡が勢いよく出るので、必ずよく冷やしてから開けるのが安心です。
「濁りは、ワインに魂と活気、そして複雑さをもたらしてくれる」
— ロンドンのレストラングループでワイン責任者を務めるザイナブ・マジェリコワ氏の言葉より(The Guardian)
温度とグラス|ペットナットを一番おいしく飲む方法
🌡️ 温度は「よく冷やしすぎない」がポイント
ペットナットは泡のあるワインなので、しっかり冷やして開けるのが基本です。ただし、冷やしすぎると香りが閉じてしまいます。
- 冷蔵庫から出してすぐ:開栓時の泡が落ち着き、安全に開けられます
- グラスに注いだら:少し待つと温度が上がり、果実味と香りがふくらみます
- 目安:白のペットナットはよく冷えた状態から、ロゼは少し温度が上がったほうが果実味を感じやすい
🥂 グラスは「香りが開くもの」を
泡を保ちたいからと細いフルートグラスを選びたくなりますが、濁りワインの魅力は香りと旨みにあります。口の広い白ワイングラスやチューリップ型のグラスで、香りをしっかり受け止めるのがおすすめです。泡の刺激がやわらぎ、澱由来の複雑な香りが立ち上がります🍷
濁りワインが和食に合う理由
ここが、日本の食卓で濁りワインを楽しむうえでいちばんお伝えしたいポイントです。
濁りワインには、澱から生まれた旨み(アミノ酸)と、果実味の厚みがあります。この「旨み」は、実は和食の味付けと非常に相性がよいのです。
- 醤油:大豆由来の旨みとワインの旨みが重なり、味に奥行きが出ます
- 出汁:昆布や鰹のうま味と、酵母の旨みが自然になじみます
- 発酵食品:味噌、ぬか漬け、醤油麹など。日本酒とワインの中間のような立ち位置で楽しめます
透明でクリアなワインは、和食の繊細な味わいに対して少し硬く感じることがあります。一方、濁りワインは味に寄り添う柔らかさを持っています。刺身、焼き鳥、だし巻き卵、炊き込みご飯——いつもの食卓に、そっと1本添えてみてください✨
ペアリング実践|濁りワインと楽しむ4つのシーン
1. 🧀 チーズ|王道にして最強
濁りワインとチーズは、もはや定番の組み合わせ。とくに白カビ系(カマンベール、ブリー)やウォッシュタイプは、濁りワインの酵母感と驚くほど調和します。ハード系ならコンテやミモレットのように熟成が進んだものがおすすめです。
2. 🍤 揚げ物|泡と旨みが油を流す
唐揚げ、フライ、天ぷら。揚げ物の油を、泡の刺激と酸がすっきり流してくれます。濁りワインの厚みがあるので、衣の香ばしさにも負けないのが強み。ソースが濃いめの料理でも楽しめます。
3. 🌶️ エスニック・スパイス料理|香りの掛け算
グリーンカレー、ガパオ、エスニックなスパイス料理とも好相性です。とくにハーブや柑橘系の香りを持つペットナットは、エスニックの複雑な香りとけんかしません。辛さで失われがちな味の輪郭を、果実味が補ってくれます。
4. 🍕 ピザ・パスタ|週末の夜に
トマトソースの酸味と、ロゼの果実味は好相性。宅配ピザに1本添えるだけで、いつもの夜が少し特別になります。秋の夜長なら、熱々のピザと冷えたロゼの温度差も楽しいもの🍷
飲み比べがおすすめ|白とロゼ、2本で楽しむ濁りワイン
「どれを選べばいいかわからない」という方には、白とロゼの2本を並べて飲み比べるのがおすすめです。同じ「ペットナット」でも、色が違うと印象がまったく変わります。今回は、タイプの異なる2本をご紹介します🍷
1. 華やかな果実味|トゥティ フルッティ アナナス ペットナット ロピット
南フランス・ルーションの自然派が手がけるロゼのペットナット。メルロー90%にバルベーラを10%ブレンドし、糖が残った状態で瓶詰めしています。オレンジを帯びたサーモンピンク、白桃やスモモ、クランベリー、イチゴのアロマ。キリッとドライな酸に、ほんのり苦みのある果実味が続きます。前菜やピザ、エスニック料理に寄り添う1本です。
2. 上質な食卓の主役|ドメーヌ ヴァインバック PCC(ペットナット)
1612年、アルザス地方カイゼルスベルグ地区にカプチン派の修道僧たちが創立した歴史あるドメーヌ。名前のPCCは、ペットナット、シャスラ、クロ デ カプサンの頭文字です。瓶内熟成38ヶ月、ドサージュなし、SO2も添加せずに造られています。白い花、モモやアプリコットの香り。やさしい泡と、果実味と酸のバランスが魅力で、食前酒はもちろん、チーズやエスニック料理にもおすすめです。
🍷 飲み比べのポイント
- ロゼ(トゥティ):果実味とほのかな苦み。前菜・ピザ・エスニックに
- 白(ヴァインバック):白い花とやわらかい泡。チーズ・食前酒に
- 2本並べると:同じ料理でも合い方が変わるのが体感でき、自分の好みが見つかります
次回予告|なぜ今、世界で濁りワインなのか
第2部では、濁りワインの実践的な楽しみ方をお届けしました。
最終回となる第3部では、世界のトレンドと選び方をお届けします。イギリスのスーパーが濁ったロゼを店頭に並べた背景、自然派ワインの広がり、そして失敗しない選び方のコツまで。濁りワインの「これから」を一緒に見ていきましょう🍷
濁りは、手をかけた証。
今夜の食卓に、ひと振りの物語を添えてみませんか🍷✨