大自然に囲まれた歴史ある銘醸地~南アフリカワインの魅力~

大自然に囲まれた歴史ある銘醸地~南アフリカワインの魅力~

皆さん突然ですが、南アフリカ産のワインを飲んだことはありますか?

ワインと言えばフランスやイタリアなど、ヨーロッパの国のイメージが強いかもしれませんが、実は南アフリカでは350年以上前からワイン造りが行われており、ワインの生産量は世界のトップ10に入るほどのワイン大国なのです。

今回はそんな隠れたワイン銘醸地、南アフリカのワインの魅力をお伝えします。

南アフリカってどんな国?

自然と融合したワイン造り

南アフリカ共和国はアフリカ大陸の最南端にある国です。

南半球にあるため、日本とは反対の季節になっています。年間を通して晴れの日が多く、比較的温暖な気候です。

南アフリカは雄大な自然と、10の世界遺産があり、エコツーリズムを基本とした観光スポットも豊富です。

ワインの主要産地でもある西ケープ州には、ユネスコ世界自然遺産に登録されているケープ植物区保護地域群があります。

この保護地域にはブドウ畑が広がっており、ブドウ栽培家たちは、1998年に制定された「環境と調和したワイン生産」(IPW)というガイドラインに沿って、環境の保護に取り組みながらワイン生産を行っています。このガイドラインには、ワイン生産者が長く持続的に高品質なブドウを栽培できることを目的として、減農薬や減酸化防止剤など多くの規制が盛り込まれています。

またワインのラベルが真実であることを証明する「品質と持続可能性」シールを、定められた基準を満たしたワインのボトルに貼ることによって、ワインの品質と自然保護の印としています。こういったワイン生産者の環境に配慮する取り組みは、世界からも注目されています。

豊富なワインツーリズム

アフリカ大陸南端にある都市、ケープタウンには沢山の銘醸ワイナリーが広がっています。

ケープタウンの東に位置する、南アフリカで最も優れたワイン産地は、別名「ワインランド」とも呼ばれており、ワインツーリズムも盛んです。

このワインランドはステレンボッシュ、パール、フランシュックの3つの町が中心になっています。ステレンボッシュには150以上のワイナリーがあり、多くのワイナリーが一般の見学も受け入れているため、ワイナリーでの試飲や食事も楽しむことができます。

また、南ケープ州には約20もの公式の「ワインルート」が存在しています。このワインルートでは様々なワイナリーが紹介されているため、南アフリカでワインツーリズムをする際に非常に便利です。南アフリカのワインツーリズムにご興味がある方は、ぜひこのワインルートを参考にしてみてください。

https://www.wosa.co.za/Wine-Country/Wine-Tourism/Wine-Routes/

南アフリカのワインの特徴は?

南アフリカのワイン生産地

南アフリカでは、西ケープ州、北ケープ州、東ケープ州、クワズール・ナタール州、リンポポ州の5州でワインの生産が行われています。

ただし、南アフリカのワイン生産の9割が「西ケープ州」で造られており、西ケープ州が南アフリカ最大のワイン生産地になっています。

南アフリカの主要ブドウ品種

白ブドウ品種では、フランスのロワール地方が原産のシュナン・ブランが最も多く栽培されていますが、ソーヴィニヨン・ブラン、シャルドネの栽培量も増えてきています。

黒ブドウ品種では、ピノ・ノワールとサンソーの交配品種であるピノ・タージュや、国際品種であるカベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、シラーズなどが栽培されています。

南アフリカのワインスタイル

南アフリカでは、単一品種だけではなく、ブレンドワインも多く生産されています。赤・白ともに、カベルネ・ソーヴィニヨンやソーヴィニヨン・ブランなどを主体とした「ボルドー・ブレンド」が主流です。また、南アフリカ独自の品種であるピノ・タージュを30~70%使用したブレンドワインの「ケープブレンド」が多く造られています。

スティルワイン以外では、「キャップ・クラシック」と呼ばれる瓶内二次発酵のスパークリングワインや、伝統的な甘口ワインも有名です。

南アフリカのおすすめワイナリー

レオパーズ・リープ

リーズナブルな価格と安定した優れた品質で、世界40か国以上に輸出され、高い評価を得ているワイナリーです。ケープ地方の様々な産地から採れた、多様な品種や個性を持つブドウを使用して、バラエティー豊かなワインを生産しています。ワイナリーは「グルメの都」としても有名なフランシュックの隣町に位置しており、ワインツーリズムの拠点として多くの観光客が訪問しています。ワイナリー内にレストランを開くなど、ワインと食事のマリアージュを楽しむ様々なプログラムを企画し、南アフリカのワインツーリズムを盛り上げています。

南アフリカの特徴的な品種である「ピノ・タージュ」や「シュナン・ブラン」で造られるワインの他に、リーズナブルな価格で南アフリカのワインを楽しむことができる「ライオンズ・マジェスティック・ホワイト」があります。どれもお手頃な価格なので、南アフリカワインに始めて挑戦してみたい方にもおすすめです。

特にレオパーズ・リープは、ケープ地域に生息する動物の保全活動を行う「ケープ・レオパード基金」のスポンサーとなり、ケープ山脈に生息するヤマヒョウ「ケープマウンテンレオパード」の保護活動を積極的に行っています。現在では、ケープ・レオパード基金から譲り受けたヒョウ達をワイナリー内で飼育し、間近で観察できるようにしています。さらには、野生のケープマウンテンレオパードを体感できるツアーを計画するなど、ワイナリー周辺の自然環境の保護に尽力しているそうです。

ラベルには、最初に譲り受けた3匹のヒョウ、リサ、オウマ・マイチ、ジョアンの姿がデザインされており、 ワインの売り上げの一部はヒョウをはじめとした絶滅の危機にある動物の保全活動に使われています。

◆レオパーズ リープ/ライオンズ ランド マジェスティック ホワイト

レオパーズ リープ/ ピノタージュ シラーズ

◆レオパーズ リープ/ シュナン ブラン

レオパーズ リープ/ スペシャル エディション ピノタージュ

ルパート&ロートシルト・ヴィニュロンズ

ケープタウンから東へ約50㎞に位置するフランシュック地区にあるワイナリーで、現在はフレデリックスバーグという土地にブドウ畑を所有しています。南アフリカワインの近代化の先駆者としても知られるルパート&ロートシルト・ヴィニュロンズは、国内初となるISO14001(環境マネジメントシステム)を取得したり、HACCP(国際的な食品衛生管理の手法)の認定を受けるなど、南アフリカのワイナリーの中でも特に自然環境や労働環境への取り組みに力を入れているワイナリーです。リュット・レゾネと呼ばれる減農薬農法を実践するなど環境に配慮したワイン造りを行っています。

ミネラル感のある香りとフレッシュなレモン、マカダミアナッツなどの繊細なアロマが特徴の「バロネス・ナディーヌ・シャルドネ」、フレッシュなベリー系のピュアな果実味をもつスタンダードワインの「クラシック」、そしてメルロー主体のブレンドで造られる複雑みがありシルキーなタンニンが特徴の「バロン・エドモン」の3アイテムを生産しています。

◆ルパート&ロートシルト/バロネス ナディーヌ 

ルパート&ロートシルト/クラシック 

◆ルパート&ロートシルト/バロン エドモン 

シャノン・ヴィンヤーズ&ワインズ

シャノン・ヴィンヤーズ&ワインズが位置するエルギン地区は、標高が高く冷涼な気候で、古くからリンゴの栽培で有名な土地です。近年はブドウの栽培適地としても注目されており、素晴らしい果実味とエレガントさを持つワインが多く造れています。

シャノン・ヴィンヤーズ&ワインズでは、少ない生産量で高品質にこだわったワイン造りをしています。2008年に栽培家のジェームス・ダウンズ氏が自身のワインをリリースしたとたん、多くのワイン専門家たちから大絶賛を受けました。

メルロー100%で造られ、南アフリカ最高峰のメルローとも称されるフラグシップワインの「シャノン・マウント・バレット」をはじめとして、きめ細やかなタンニンでエレガントな印象の「ピノ・ノワール」や、キリっとした酸味とパッションフルーツやレモンのアロマが特徴の「ソーヴィニヨン・ブラン」が人気です。エルギンで造られる高品質なワインをぜひお楽しみください。

◆シャノン マウント バレット 

◆シャノン エルギン ピノ ノワール 

◆シャノン エルギン ソーヴィニヨン ブラン 

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