シャンパンとスパークリングワインって何が違うの?こんな疑問を思った事はありませんか? 「スパークリングワイン」は発泡性ワイン全てを指します。
一方で「シャンパン」はスパークリングワインの一つ。フランスのシャンパーニュ地方で造られ、製造方法も法律によって厳しく管理されています。
今回はそんなシャンパンとスパークワインについて、みていきましょう。
フランス・シャンパーニュ地方で造られるシャンパン
シャンパンはスパークリングワインの中でも、ひときわ特別な存在です。
フランスの北部シャンパーニュ地方で造られるものしか「シャンパン」と呼ぶことはできません。これは、フランスのワイン法で厳しく定められています。 さらに、製造方法も厳しく管理されています。 「シャンパーニュ地方」で「厳しい法律に従って造られた」スパークリングワインだけが「シャンパン」と名乗れるのです。
特別で手間ひまかけて丁寧造られるワインだからこそ、特別なワインとなるんですね。
シャンパンの製法
「厳しい法律に従った」製造方法、どんなつくり方か気になるところですよね。
シャンパンの生産工程での主な規則はこんな感じです。
- ブドウ品種:シャルドネ、ピノ・ノワール、ムニエ
- 毎年定められる最低アルコール度数を順守する。
- 「シャンパーニュ方式」と呼ばれる自然な工程により醸造する。
- 出荷までに最低15か月間、瓶内で熟成させる。
シャンパンのブドウ品種
ブドウ品種は、シャンパーニュ地方のテロワールの特性に基づいて決められ、ピノ・ノワール(黒ブドウ)、ムニエ(黒ブドウ)、シャルドネ(白 ブドウ)が大半を占めています。ピノ・ノワール
ボディと力強さを与える「 ピノ・ノワール」。栽培面積は、全体の38%を占めます。 石灰質土壌と冷涼な気候に最適。レッドベリー類のアロマと個性ある構成が特徴です。
ムニエ
しなやかさと丸みを与える「ムニエ」。栽培面積は全体の32%です。 耐性の強いブドウ品種で、ブドウ栽培が難しい気象条件でも育ちます。しなやかでフルーティなワインができます。
シャルドネ
繊細なアロマが特徴「シャルドネ」。栽培面積は全体の30%です。 シャルドネのワインは、フローラル、柑橘、時にミネラル系のアロマなど繊細なアロマが特徴。ゆっくりと熟成するため、長期熟成にも適しています。
「シャンパーニュ方式」とは?
シャンパンの特徴的な醸造方法として、「瓶内二次発酵」が挙げられます。 最初の発酵はタンクや樽で行い、そのあと瓶詰め。瓶内で2度目の発酵をさせます。
この瓶内二次発酵方式は、別名シャンパーニュ方式と呼ばれる伝統的な工程。 約2ヶ月間かけて、ゆっくりとワインを二次発酵させます。 この緩やかな発酵の間に、ワインの香りがより複雑に調和され、独自の泡を持つシャンパンが創り出されるのです。 手間をかけてゆっくりと作られるシャンパンだからこそ、特別なワインになるんですね。
他のスパークリングワインは、どんな特徴があるのでしょうか? 少し見てみましょう。
発泡性ワインはスパークリングワイン
英語や日本語では「スパークリングワイン」と呼びますが、国が変われば、呼び名も変わります。
イタリアの「スプマンテ」なんてよく聞きますよね。スプマンテはイタリア語でスパークリングワインという意味です。
国 | スパークリングワインの呼び名 |
フランス | ヴァンムスー |
イタリア | スプマンテ |
スペイン | エスプモーソ |
先ほど紹介した「シャンパン」は世界で一番有名なスパークリングワインですが、他にはどんな種類があるのでしょうか?
今回は、シャンパンと合わせて三大スパークリングワインとも言われる「有名でおすすめなスパークリングワイン」を2つ紹介したいと思います。
有名でおすすめなスパークリングワイン2つ
- イタリアの「プロセッコ」
- スペインの「カヴァ」
おすすめスパークリングワイン①プロセッコ
世界で一番売れているスパークリングワイン「プロセッコ」。イタリアを代表するスパークリングワインです。
しっかりと果実味を感じることができ、爽やかなフレッシュさとフルーティーさが魅力です。
プロセッコの製法は?
シャンパンとプロセッコの大きな違いの一つは、発酵方法です。シャンパンは2度目の発酵を瓶内でさせる、瓶内二次発酵方式という伝統的な方法。プロセッコは密閉式タンク方式というイタリアの方法で、2番目の発酵を二次発酵が個々のボトルではなく、大きなステンレスタンクで行います。
シャンパンは瓶の中でワインと酵母が長期間接触するため、ほのかにパンのような香りを持つのが特徴ですが プロセッコは大きなステンレスタンクで発酵を行うため、よりブドウの純粋な香りが楽しめます。アルコールが低く、軽くて飲みやすいものが多いのも特徴。初夏や夏の食前酒にもぴったりです。
プロセッコのブドウ品種について
85%以上は「グレラ」というブドウを使用。残りの15%は他のブドウを使うことが許されています。グレラは以前プロセッコという名前でしたが、2009年にグレラに変わりました。
酸味を持つスパークリングワインにピッタリなニュートラルな品種で、白桃のような香りが特徴です。フルーティーでフレッシュ、シュワっと爽快なプロセッコは 食前酒にぴったり。夏の暑い日は氷を浮かべて、キリッと冷やして飲むのもおすすめです。
おすすめのスパークリングワイン②カヴァ
続いて、スペインを代表するスパークリングワイン「カヴァ」について。シャンパンと同じ瓶内二次発酵方式で作られているにも関わらず、お手頃価格で楽しめるワインです。カヴァの製法は?
手間のかかる瓶内二次発酵方式を採用しながらも、なぜこんなにお手頃な価格で楽しむことができるのでしょうか。
その秘密は、工程の機械化にあります。 カヴァワインを造る際には、製造・保管・瓶詰めを機械で行う場合が多いです。特にシャンパンでは手作業で行なうことの多い、ボトルの回転と転倒であるティラージのプロセスを機械化したことで、大きくコストダウンできているという背景があります。
カヴァのブドウ品種について
マカベオ、チャレッロ、パレリャーダの3つの地元のブドウをベースにしています。
それぞれの特徴は
マカベオ
さわやかで軽くてドライ。蜂蜜やナッツのようなブーケを持ったものから、フローラルスタイルのものまで、さまざまなスタイルにうまく調和します。酸化に強いのも特徴です。
チャレッロ
果実は厚い皮を持っていルため、自然なポリフェノールを多く含みます。糖と酸の素晴らしいバランスの味わい。さらにポリフェノールの高さは、ワインにテクスチャーの複雑さを加えます。
パレリャーダ
パレリャーダは、マカベオとチャレッロの高い酸味を和らげるために使用されます。チャレッロの素朴な味わいとマカベオの花の香りとよく調和する青リンゴの香りを与えます。コスパの良いカヴァは、予算を抑えて美味しいスパークリングが飲みたい!という時におすすめのワインです。
シャンパンとスパークリングワインの楽しみ方
シュワっした泡が口の中で広がるスパークリングワイン。爽快で華やかな印象は、ちょっと特別な日の乾杯に開けたいワインですよね。
中でも「シャンパン」は聞くだけで特別感の出るワイン。本場フランスでもお祝いの時に欠かせないワインです。
ちょっとしたお祝いや、自分へのご褒美にはカヴァで乾杯… 夏の暑い日にはプロセッコに氷を浮かべてチーズと食前に… 結婚式や記念日、パーティーにはシャンパンで豪華に乾杯! と、その日の気分やオケージョンに合わせて。 シュワっとちょっと嬉しくなるスパークリングワインを楽しんでくださいね!