ロゼワインはお花見の季節だけではない!ロゼワインブーム

ロゼワインはお花見の季節だけではない!ロゼワインブーム

春、お花見の季節になると注目されるロゼワイン。桜と同じピンクの色合いのロゼワインは、お花見の時期にはなくてはならないアイテムです。

でも、春以外は、ロゼワインはあまり飲まないというかた、多いのではないでしょうか。世界的なロゼブームのわりに、日本ではロゼワインの消費が少ない状況です。なぜ、日本ではロゼワインの消費が伸びないのでしょうか?今回はロゼワインについてお話しします。

ロゼワインの消費は右上がり

フランスでは、ここ10年、ロゼワインの流通量は20%増加しています。一方、赤ワインの流通量は28%減少しています。その理由について、EUAWE (European Association of Wine Economists)の会長は、**「若い世代がロゼワインを飲んでいる。アペリティフや夏だけでなく、年間を通して飲まれている」**と説明しています。

コロナ禍のもと、フランスでは、Zoomでのオンライン飲み会「アペロ・ズーム」が流行し、そこでは、ロゼワインが定番となりました。この時期のロゼワインの売上は、3.5%増加したということです。ロゼワインが選ばれたのは、手ごろな価格ときれいな色が理由だと考えられています。

世界的にみてもロゼワインの消費は増加しています。2002年から2018年に、40%も増加しています。この増加はさらに続くだろうといわれていますから、ロゼワインの人気はたいへんなものです。

ロゼワインは、年間消費量が年間供給量を上回ったというからまさにおどろきです。ワインは、過去の複数の年の商品が出回っていますから、市場からロゼワインが消えたわけではありませんが、それだけ需要があるということです。こうなれば、生産者たちも、ロゼを造ります。

私はここ数年のワイン見本市や試飲会で、いままでロゼを造っていなかった造り手がロゼを造り始めたな、という印象を持っていました。

ロゼといえばプロヴァンス

フランスのプロヴァンスといえばロゼワイン、ロゼワインといえばプロヴァンスというイメージがありますが、イメージ通り、プロヴァンスで生産されるワインの90%はロゼワインです。プロヴァンスでは、2600年前にはギリシャ人が植えたブドウですでにロゼが造られていたといわれていますから、まさにロゼワインの地。

プロヴァンスに行ったことのある人なら、ロゼワインを飲まなくしてプロヴァンスに行った価値はないと思うくらい、プロヴァンスにはロゼが似合うと体感しているはず。

海辺のテラス席で、海風に吹かれながら、魚介料理を食べ、ロゼワインを楽しむ。まさにプロヴァンスです。

アメリカでもロゼワインブーム

フランスでは、白ワインよりロゼワインのほうが消費されていて、ロゼの占める割合は約30%です。日本でのロゼの割合は3%ですので、いかに多いかがわかります。

フランスに次いでロゼワインを消費する国はアメリカ(14%)。ブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリーが、2011年に南フランスにワイナリーを購入して、ロゼワインを造ったと世界中で話題になりました。彼らはロゼの愛飲家。そのころから、すでにアメリカではロゼワインがブームだったといえるでしょう。

現在、アメリカでロゼを消費しているのは、特にミレニアル世代です。この世代にぴったりといえるミレニアルピンクの色合いのロゼワイン。

SNS映えするというのも人気の大きな理由。いまやSNSが流行を作る時代です。また、ロゼワインの軽い口当たりは、ミレニアル世代の食のスタイルに合っています。ヘルシーでライトな食事を好む若い世代には、ロゼワインが好まれます。

そして、親しみやすさ。場所を選ばず、気軽に飲むことができます。ピクニックやガーデンパーティーなど、ロゼワインは屋外でのシーンにも最適です。ワインは、テーブルについてゆっくり、ワイングラスで、適温で、とか、ときにはデキャンタージュして、などという伝統的なルールに従う必要もありません。個人主義で、自由で、型にはまらない若者の志向にマッチしているのです。ロゼワインは、氷を入れたり、カクテルにしたり、形式にとらわれず飲まれています。

日本のロゼワイン市場

フランスやアメリカで、ここまでブームになっているロゼワインが、なぜ日本ではブームにならないのでしょうか。

いずれはロゼブームが訪れるかもしれませんが、今のところロゼは存在感が薄いワインです。

その理由は、

  • 甘口が多いと思われている
  • ワイン初心者向けだと思われている
  • ピンク色なので、女性が飲むワインと思われている
  • 白でもなく赤でもなく中途半場だと思われている

といったところでしょうか。

上にあげた4つは、いずれも誤解です。

ロゼワインは甘口もありますが、辛口もあります。ピンクの色合いからなんとなく甘いというイメージがあるのでしょうが、固定概念は捨てましょう。

また、ロゼは、ワインの渋みに馴染んでいないワイン初心者に向いているというのは、はたしてそうでしょうか。ロゼワインはむしろ辛口が主流だということがわかれば、初心者向けではないことに気づくでしょう。ロゼをチョイスするのはカッコイイ、ロゼこそワイン・ラヴァー向けという時代になっているのです。フィール・フリーでロゼを飲んでほしいと思います。

ピンク色なので女性が飲むという考えも、もはや過去のものです。ミレニアルピンクも、女性だけのものではありません。ジェンダーレスな現代です。女性用、男性用、なんていう考えは取り去りましょう。

白でもなく赤でもないのは、中途半場なのではありません。ロゼワインは、白のいいところも赤のいいところも兼備したワインなのです。

フードフレンドリーなロゼワイン

ロゼは、様々な食事にも合わせやすいフードフレンドリーなワインです。白ワインのようなすっきりライトな味わいのロゼワインは、魚介料理にマッチします。ライトとはいえ、黒ブドウ由来のタンニンが少々ありますから、肉料理ともペアリングできます。まさに、白ワインと赤ワインのいいとこ取りなのです。

ハムやチーズ、エビのタルタル、スモークサーモンなどのおつまみにももってこい。野菜とも相性がよく、野菜の甘さとロゼワインの酸味がマリアージュします。ラタトゥイユがその代表例。ラタトゥイユはプロヴァンス地方の郷土料理ですから、産地のロゼワインとのペアリングは王道中の王道です。

ロゼワインは、フランス料理だけでなく、中華料理やエスニック料理にもマッチします。中華料理のオイスターソースのコクは、白ワインでは物足りないですが、赤ワインではヘビーになってしまいます。そんな中華料理には、まさにロゼワイン!

スパイスがきいているエスニック料理には、白ワインではライトすぎるので、タンニンがほしいところ。でも赤ワインだと、料理の辛さが強調されてしまうことがあります。ふくよかな白や軽やかな赤という方法もありますが、活躍するのはやっぱりロゼ!

和食にももちろん合わせたいロゼワイン。中華料理も同様ですが、和食も1回の食事の品数が多いです。この料理には白、この料理には赤、と分けるより、ロゼを1本開ければ、それで解決します。

そんな万能のロゼワイン。もう日常に取り入れるしかない!と思いませんか?

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まとめ

世界のロゼワインブームに遅れをとっている日本ですが、日本でもロゼワインがもっと飲まれてほしい!ロゼワインのブームは来るはず!です。

お花見の季節、家飲みでもロゼワインを飲んで、多くの人がその魅力を見出してほしいです。そして、春以降も、ロゼワインを食卓に取り入れてはいかがでしょうか。

ロゼワインは、ラフに自然体で人生を楽しむ、そんな今の時代にぴったりなスタイルを提供してくれます。

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