イタリアワインを語る上で欠かせない産地「ピエモンテ」。イタリアワインの王様と呼ばれているバローロや女王とも呼ばれるバルバレスコなどが生み出されています。
そんなピエモンテではどんなワインが造られているのでしょうか。
今回はブドウ品種に注目して、その特徴やおすすめの銘柄を紹介していきます。
ピエモンテの気候と特徴
イタリアの北西に位置し、第4の都市トリノがある州「ピエモンテ」。
アルプスの麓にある自然豊かな美しい場所です。
冷たいアルプスと穏やかな地中海の気候がぶつかり、昼夜に温度差をもたらします。
夜は冷たく、朝は霧で満たされ、日中はたっぷりと日が照ります。たくさんの日光を浴びて育つ丘の上のブドウ。ワイン造りに恵まれた土地です。
バローロとバルバレスコ
ピエモンテの有名なDOCGといえば、バローロとバルバレスコ。
それぞれの特徴を見てみましょう。
イタリアワインの王様バローロ
バローロは、アペニン山脈のアルバ市の南西に位置しています。
バローロDOCGのブドウ畑は、南向きの丘にあります。ワインの色は淡い赤レンガ色で、しっかりとしたタンニンと高めのアルコール度数(最低13%)が特徴です。
ネッビオーロのブドウを100%で造られます。
ガツンと力強くしっかりとした味わい。
Baroloはリリース前に最低3年間、Riservaの場合は5年間熟成してリリースされます。
バローロの畑の中でも歴史的な畑として知られるカンヌビ・サンロレンツォ。樹齢80年近いぶどうの木の残る畑で造られるワインは収量も少なくマグナムボトルだけ瓶詰めされます。
ワインが飲み頃になるまでリリースしないという徹底した管理のもと、通常10年近い熟成を経てリリースされるバローロ カンヌビ サンロレンツォ。
特別な日にぴったりの1本です。
チェレット/ バローロ カンヌビ サンロレンツォ [2003] 1500ml・赤ワイン マグナムボトル
柔らかく繊細なバルバレスコ
バルバレスコはアルバの北東、タナロ川の近くにあります。南向きの最高のブドウ畑で造られたネッビオーロ100%で造られます。
バローロとの違いは?
100%ネッビオーロ品種を使って造られるバローロとバルバレスコには、どんな違いがあるのでしょうか?大きな違いを生む要因は2つ、土壌と気候です。バルバレスコの土壌はほとんどが石灰岩ベースなので、タンニンが少くなります。また日中の変化が少なく、温暖な気候から早く熟成したブドウは皮が薄くなります。バルバレスコのワインはタンニン、色、フェノールが少なく、バローロよりも柔らかく繊細な味わいと言われています。
パヨレは、ランゲで最も有名な畑の一つで、力強さと上品さが調和した優雅でエレガントな赤。バルバレスコの真髄を堪能出来る逸品です。
リッツィ/ バルバレスコ パヨレ [2011] 750ml・赤ワイン
ブドウ品種の特徴から選ぶピエモンテワイン
赤ワイン
ネッビオーロ
ネッビオーロの生産量はバルベラより少ないですが、ピエモンテ産の最高のワインとされています。ピノ・ノワールと似た特性を持つので、格が高騰しているブルゴーニュに代わって注目されることも多いようです。レッドチェリー、タール、ローズのフレーバーワインは酸味が強く、淡いガーネット色、濃厚なタンニン、チェリー、ローズ、タールの風味。13?15%の中程度に高いアルコール度数を持っています。
ネッビオーロといえばバローロとバルバレスコですが、それだけではありません。ネッビオーロを主に使用したピエモンテのDOC・DOCGワインは15もあります。例えばネッビオーロ ランゲは、ネッビオーロ100%の辛口赤ワイン。バローロと似た味わいを気楽に楽しむことができます。
コルデロ ディ モンテツェモロ/ ネッビオーロ ランゲ [2017] 750ml・赤ワイン
バルベラ
バルベラは、ピエモンテで最も広く栽培されているブドウです。滑らかなタンニンとスパイシーなフィニッシュ、エスプレッソ、スモーク、フレッシュアニスとラズベリー、リンゴンベリー、ブラックベリーなどの果実のアロマをもたらします。
おすすめDOCはバルベラ ダルバ。果実と花の芳香を持ち、ソフトなタンニンと凝縮された果実味の力強いワインです。
コルデロ ディ モンテツェモロ/ バルベラ ダルバ [2021] 750ml・赤ワイン
ドルチェット
ドルチェットブドウで作られたワインは、ブラックベリー、リコリス、タールのフレーバー。とても濃い色をしています。ワインは酸味が少なく、口当たりの良いタンニンが豊富に含まれています。フレッシュながらもしっかりとした味わい、買いやすい価格も魅力。イタリアではデイリーワインとして親しまれています。
ドメニコ クレリコ/ ランゲ ドルチェット ヴィサディ [2018] 750ml 赤ワイン
白の品種
モスカート
赤のイメージが強いピエモンテですが、スパークリングや白も忘れてはいけない存在です。特に名前が知られているのは甘口の微発泡ワイン、モスカート ダスティ。優しい甘みのスパークリングは、アペリティフ(食前酒)としてもおすすめです。よく冷やしたモスカート ダスティを、仕事終わりに仲間と楽しく飲みたいですよね!
リッツィ/ モスカート ダスティ [2021] 750ml・白ワイン 微発泡 甘口
コルテス
レモン、リンゴ、メロン、ストローのフレーバーが特徴的な、なめらかなドライホワイト。コルテスの最も有名な地域はガヴィです。
ガヴィ ヴィニェート アルボリーナは、すっきりとした辛口で琥珀がかった麦わら色で、色々な料理と良く合います。ブドウは手で摘み、優れたものだけを選び抜いてプレス。濃厚で複雑な味わいと、長く続くブーケが口いっぱいに広がります。
カステッロ ディ タッサローロ/ ガヴィ ヴィニェート アルボリーナ [2020] 750ml・白ワイン
アルネイス
ピーチ、リンゴ、レモンの調和のとれたジューシーなフレーバーが特徴のアルネイス。スパイシーで風味豊かな後味が長く楽しめる、ピエモンテの白ワインです。白い花、桃、リンゴ、緑のヘーゼルナッツのフレーバーにミネラル感が溢れています。
長い歴史を持つフォンタナフレッダ社の新ラインナップ、『ヴォルーミ・ボッラーティ』シリーズ。輝く麦わら色で、トロピカルフルーツ、熟した洋ナシ、ハチミツを思わせる香りです。なめらかな味わいで酸味と果実味のバランスがよく、余韻が長く続きます。
フォンタナフレッダ/ヴォルーミ ボッラーティ シリーズ プラダルポ ロエロ アルネイス 500ml・白ワイン
美食の地ピエモンテ料理×ワインで至福の時間を
ピエモンテといえばトリュフと肉、野菜料理!ワインだけでなく、美食の地としても有名です。代表料理は生肉を使ったタルタルやバーニャカウダ、ミートソースや地元のチーズをたっぷりとかけたパスタなどなど、たくさんあります。スローフードの発祥地でもあるピエモンテでは、地元の伝統ある料理やワインが大切にされています。
日本でも美味しい野菜やお肉はたくさんあリますよね。バーニャカウダや牛肉のワイン煮込みと一緒にピエモンテのワインをいただく。至福の時間を過ごせそうですよね!