近年になって、「ロゼワイン」が注目を集めています。
今ではロゼワインしか飲まない、という人が出てくるほど素晴らしいお酒です。
とはいえ、
「ロゼワインってどんな味なの?」
「ロゼ(赤)ってことは赤ワインじゃないの?」
というような疑問を持っている人も多いでしょう。
本記事ではロゼワインの味や、赤白ワインとの違いなどを、徹底的に解説します。
ロゼワインに興味がある人は、ぜひ参考にしてください。
ロゼワインとは何か? 味の違いは?
ロゼワインは、「赤ワインでも白ワインでもない、新しい新時代のワイン」です。
製法や香り、味わいや料理との相性、すべてにおいて新しい存在。
ロゼワインは、赤ワインと白ワインとは違った味わいを持っています。
基本的には、「赤ワインの重厚感」と「白ワインの軽快さ」をミックスしたような味わい。
いわゆる「いいとこ取り」というわけですね。
クセがなく、ワイン初心者にも飲みやすいのが特徴。
スパークリングにすると、さらにポップでとっつきやすいテイストになります。
安価なシャンパンと近い扱いになり、家飲みなどで飲まれることも。
また、さまざまな料理との相性がよく、もはや食事シーンの定番的な存在になりつつあります。
美しい色で、ブームを巻き起こす

ロゼワインと言えば、あの美しいピンク色。
ほんのり薄いピンクから、口紅のような濃い色まで、さまざま存在します。
赤ワインと白ワインよりも色味のバリエーションが多く、「目で楽しむ」ということの魅力は非常に大きなもの。
そのおかげで、赤白ワインが飲めない人たちのハートを、しっかりとつかみました。
現在は、「ロゼワインブーム」の真っ只中。
特にピンクのものが大好きな女性からの人気が高く、「インスタ映えする」と評判です。
スパークリングのものはさらに見栄えがよく、たいへん愛されています。
最近では夜の街でも、しょっちゅう提供されるようになりました。
ちなみに、ピンク色の濃さと薄さは、味とはあまり関係していません。
薄くても味に強さを持っているものもあれば、濃い色なのに薄味のものもあります。
ロゼワインの作り方
ロゼワインは、作り方にも注目されています。
決して「赤ワインと白ワインを混ぜている」、というわけではありません。
「原則として赤ワインと白ワインを混ぜてはいけない」というルールがあるので、そのような方法は使えないのです。
そして、「ロゼワインを作るためのぶどう」は存在しません。
しかしワイナリーの努力により、ロゼワインの作り方は、すでに確立されています。
作り方はさまざまありますが、主だったものとしては以下のようなものが挙げられます。
赤ワインのように作る
一つは、「赤ワインのように作る」という方法。
厳密に言うと、「マセレーション」というものが使われています。
要するに「黒ぶどうの皮をむかず、そのまま発酵させる」という形です。
しかしそのままだと、ただの赤ワインを出来上がってしまいます。
よって色が決まってしまう前に、皮と種を回収。
色を濃くする皮が取り除かれるので、その段階で色が固定され、美しいピンク色に仕上がるというわけです。
その後、果汁だけの状態で発酵させて、ロゼワインが出来上がります。
マセレーションされたロゼワインは、やや赤ワインよりの味わいに仕上がる傾向があります。
白ワインのように作る
白ワインの製法をなぞって作る、というスタイルもあります。
白ワインでは、直接圧搾法という手法が使われます。
要するに「皮と種を取り除いた白ぶどうを発酵させる」ということ。
しかし黒ぶどうでこれをすると、美しいピンク色のワインが完成します。
そうすると、ロゼワインが出来上がるというわけです。
この方法で製造した場合、白ワインよりのロゼワインに仕上がります。
ロートリング
白ぶどうと黒ぶどうの果汁をミックスするという手法です。
白ワインと赤ワインを混ぜるのは原則タブーですが、発酵する前の果汁を混ぜるのは、かろうじて認められています。
ワイナリーは、「白と黒のぶどうを混ぜると、美しいロゼワインが出来上がる」ことに気付きました。
黒ぶどうと白ぶどうの割合を変えることで、ピンク色の濃度を自由自在に変化させられます。
ブレンド
本来なら禁止されている「赤ワインと白ワインを混ぜる」という方法です。
実はこの方法は、フランスのシャンパーニュ地方でだけ認められています。
白ワインに赤ワインを少しだけ混ぜて、軽く色付けするようなかたちが主流です。
したがってブレンドされたロゼワインは、白ワインの特徴が強めに現れます。
ロゼワインに合う料理とは?
ワインと料理の相性は、それらをより楽しむうえで大変重要です。
赤白ワインと同じように、ロゼワインにも相性のよい料理が存在します。
ロゼワインを飲むときは、以下のような形で、料理に合わせるとよいでしょう。
<甘口のロゼワインの場合>
- 果物全般
- チーズ
- スナック菓子
- 各種おつまみ
- スイーツ
- 野菜

甘いもの、素材そのものに合うのが甘口ロゼワインの特徴。
特に果物や野菜と組み合わせるのは、定番中の定番です。
あらゆるおつまみと相性がよく、家飲みなどでも重宝します。
<辛口のロゼワイン>
- えび
- かに
- ほたて
- 赤身の牛肉
- 鶏肉
- 豚肉
- ピザ

辛口のロゼワインは、特に魚介料理との相性に優れています。
さらに味の濃い中華料理とも好相性。
つまりエビチリのような魚介を使った中華料理とロゼワインは、これ以上ない組み合わせだと言えるでしょう。
ぜひともこの組み合わせは、一度試してもらいたいところです。
ちなみにワインと料理がお互い引き立てあうことを、「マリアージュ」と呼びます。
もちろん赤白に限らず、ロゼワインにもマリアージュは存在します。
ロゼワインと料理の相性を意識して、よりよい食事を楽しみましょう。
ロゼワインをより美味しく飲むには?
赤白のワインと同じく、ロゼワインにも美味しくのもコツがあります。
重要なのは、やはり「温度」です。
そしてロゼワインの場合、「甘口か辛口か」によって、適切な温度は違います。
甘口の場合、10度?18度がベターです。
冷蔵庫から出してきたなら、10分ほど室温におけばOK。
コクと渋みが増して、より奥深い味に変わります。
辛口の場合は、6度から10度くらいがおすすめ。
冷蔵庫から出してきてすぐにグラスインすれば、ちょうどこの温度帯で落ち着くでしょう。
よりシャープな味わいになり、ほどよい爽快感と果実味が強調されるはず。
ただし、10度と18度(6度と10度)の間にも、細かい味の変化はあります。
ロゼワインに限らず、ワインというものは、温度調整でガラリと味が変わる奥深い飲み物です。
ぜひ「自分が好きな温度」を見つけてください。
これを見つけるのも、ロゼワインの醍醐味です。
ちなみにヨーロッパでは、「ロゼミスト」という飲み方も愛されています。
グラスに氷を入れて楽しむというもので、清涼感が強く得られます。
夏場などでは、かなりおすすめできる飲み方です。
おすすめのロゼワインは何?
とはいえ、「結局どのロゼワインを選べばいいのかわからない.....」という人もいるでしょう。
今ではさまざまなロゼワインが出回っているので、選ぶのも大変です。
もし迷うようなら、以下のロゼワインをおすすめします。
ムートン カデ ル ロゼ ド ムートン カデ
- 容量:750ml
- 味:辛口
- 産地:フランス・ボルドー地方
フランスの一大名産地、ボルドーが送るロゼワインです。
生産者は、名門シャトー・ムートン・ロスチャイルド社。
レッドカラントやベリーの風味が前面に出ており、非常に高級感のある味わい。
甘さはかなり控えめで、キリッとした飲み心地に仕上がっているのも特徴です。
肉が使われている料理との相性に優れ、生ハムやチャーシュー、焼き鳥や餃子などと合わせるのがおすすめです。
薄めのピンク色も美しく、目にも鮮やか。
価格は1,000円代と、かなり気軽に試せるプライスになっています。
エイ トゥー ゼット ワインワークス ロゼ
- 容量:750ml
- 味:やや辛口
- 産地:アメリカ・オレゴン州
ザクロやストロベリーなどの風味が輝くロゼワイン。
生産者はオレゴン州最大のワインメーカー、「エイ トゥー ゼット」。
果実味が豊富であり、とてもフレッシュな飲み心地です。
ほんのりとした辛みと確かな酸味が混ざり合い、絶妙なバランスに仕上がっています。
そしてハイビスカスなどのエッセンスが感じられる香りも、たいへん素晴らしいものです。
色合いは濃いめであり、高級感がただよいます。
さまざまな料理と好相性を示しますが、特に野菜や果物に合わせるのがおすすめ。
メゾン ボゼール ブリュット ロゼ
- 容量:750ml
- 味:辛口・スパークリング
- 産地:フランス・シャンパーニュ地方
シャンパンの聖地、シャンパーニュ地方から輩出されたスパークリングロゼワイン。
生産者はシャンパーニュ地方の老舗、ボゼールです。
良質なピノノワールだけを使っており、味も香りも抜群。
若いストロベリーを思い出すような、フレッシュで活き活きとした味わいです。
非常に強い果実感とスパークリングの組み合わせにより、非常に飲みやすく仕上がっています。
色合いは美しいサーモンピンク。
きめ細かい発砲と相まって、見栄えも優れています。
まとめ
ロゼワインは、今までにはなかった新しいワインのあり方です。
赤ワインと白ワインのいいとこ取りで、美味しくないわけがありません。
飲みやすさや見た目のよさ、リーズナブルな値段に料理との相性、とにかくさまざまな魅力を持っています。
ぜひ一度、ロゼワインを口にしてみてください。
赤ワインと白ワインでは得られない、特別な経験があるはずです。
また、「ワインは少し苦手」という人にもおすすめ。 マイルドな味なので、赤白ワインが飲めない人でも美味しく感じられるはずです。