ワインと料理 マリアージュのコツ①~ブドウ品種から食材を選ぶ~

マリアージュのコツ①~ブドウ品種から食材を選ぶ~
マリアージュのコツ①~ブドウ品種から食材を選ぶ~

用意したワインに合わせて食べる料理を考えるとき、みなさんは何を基準にして料理を選んでいますか?

ワインと料理の組み合わせは、専門家でも常に悩むものです。

「このワインはこんな料理に合いそうだな」と思って作った料理が意外と合わなかったり、「これはあんまり合わないだろう」と期待せずに試してみた組み合わせが思いがけず美味しかったり、なんてこともよくあります。

ワインと料理のマリアージュは奥が深くて難しいです。それに「マリアージュの正解」も存在しません。だからこそ自分なりに考えて試行錯誤するのがおもしろいのです。

とはいえ、普段ワインと料理を合わせていただく機会があまりない方にとって、いきなり組み合わせを考えてみようとしても、何をポイントにして選べばいいのか困ってしまいますよね。

ここでは、「お家にあるワインに料理を合わせてみたいけど、どんな食材を選んだらいいのだろう?」と迷っている方のために、知っておくと役に立つ「マリアージュのコツ」をご紹介します。

今回はワインの「ブドウ品種」に着目して、組み合わせる食材を選んでみましょう。

「ブドウ品種の特徴」から合わせる食材を選ぼう

ワインはいろいろな種類のブドウ品種から造られています。

ブドウ品種はそれぞれ違う個性を持っているので、使われているブドウ品種が異なると、同じ赤ワイン・白ワインでも味わいは全く違った印象になります。それくらいブドウ品種がワインの味わいに与える影響は大きいのです。

ですので、それぞれのブドウ品種の特徴を理解することが、料理とワインを組み合わせる上で重要なポイントになってきます。

ここでは代表的なブドウ品種の特徴と、合わせやすい食材について解説していきます。

白ブドウ品種とのマリアージュ

白ブドウ品種① ソーヴィニヨン・ブラン

ソーヴィニヨン・ブランの特徴

ソーヴィニヨン・ブランの一番の特徴は、ハーブ感のある爽やかな香りと味わいです。

特に冷涼な地域で栽培されるソーヴィニヨン・ブランは、ハーブや若草など青みのある清涼感が感じられます。その一方で温暖な地域で造られるソーヴィニヨン・ブランは、パパイヤやパッションフルーツなどトロピカルフルーツの風味が強く出てきます。

ソーヴィニヨン・ブランに合わせたい食材

ソーヴィニヨン・ブランが持つ独特の「青み」を活かして、ディルやミント、パクチーなどのハーブを合わせてみると良いと思います。

和食であれば、大葉やみつ葉などを使った料理もおすすめです。

オーク樽を使っていない軽めの味わいのソーヴィニヨン・ブランであれば、ハーブを使った野菜料理や魚料理、オーク樽の風味が強めのソーヴィニヨン・ブランにはハーブを使ったお肉料理に合わせるのもおすすめです。

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白ブドウ品種② シャルドネ

シャルドネの特徴

ブドウ品種にはそれぞれ特徴があるとお伝えしましたが、実はシャルドネはこれといった個性がない「無個性」が特徴とも言われている品種です。

シャルドネは造られている地域や醸造方法の違いによって味わい大きく変化します。そのため、シャルドネの品種自体の特徴をあげるのは難しいので、ここでは産地と樽熟成の有無からくる味わいの特徴に注目してみましょう。

産地の違いから現れる特徴

カリフォルニアなど気候が温かい産地で造られるシャルドネは、ブドウが完熟するため果実味豊かな味わいが特徴です。冷涼な産地では酸味が豊かでキリっとした味わいになります。例えば、ブルゴーニュ地方のシャルドネで造られる「シャブリ」はミネラル感があり酸味がしっかりとした味わいが特徴です。

樽熟成の有無から現れる特徴

樽熟成を行っていないシャルドネは比較的さっぱりとした爽やかな味わいになります。その一方で樽熟成を行ったシャルドネは、バニラやバターのような風味がつくため、より濃厚な印象の味わいになります。

シャルドネに合わせたい食材

樽熟成をしていない軽めのシャルドネであれば、アボカドを使ったサラダなどあっさり系の料理が合わせやすいです。アボカドのバターっぽいオイリーな風味がシャルドネの果実味とマッチします。樽の風味や果実味がより濃厚になるにつれて、ナッツのような香ばしい食材を使った料理や、シチューやグラタンなどクリーム系の料理が良く合います。

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黒ブドウ品種とのマリアージュ

黒ブドウ品種① ピノ・ノワール

ピノ・ノワールの特徴

ピノ・ノワールはフランスのブルゴーニュ地方を代表する黒ブドウ品種で、現在は世界各国で栽培されている国際品種のひとつです。フローラルで華やかなアロマが特徴的で、赤ワインの中では、比較的エレガントで繊細なタイプのものが多いです。色合いも淡めで、ストロベリーやチェリーなどの赤果実系のかわいらしい風味を持ちます。酸味が強く、線が細い印象があります。

ピノ・ノワールに合わせたい食材

赤ワイン=お肉というイメージがあるかもしれませんが、キレイでピュアな果実味を持つピノ・ノワールは、マグロなど赤身の魚料理にも合わせやすいです。またお肉であれば、濃厚なタイプよりも繊細な味付けのものに良く合います。軽めのタイプのピノ・ノワールには豚肉を使った料理、ニューワールドなどで造られるものに多い重ためのタイプには牛肉の料理などが合わせやすいです。

日本の食材であれば、梅干しもおすすめです。ピノ・ノワールのフレッシュな酸味が梅干しの酸っぱさにマッチします。イワシの梅煮など青魚を使った料理との組み合わせも好相性です。

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黒ブドウ品種② カベルネ・ソーヴィニヨン

カベルネ・ソーヴィニヨンの特徴

繊細なイメージの強いピノ・ノワールと対照的に、力強さと重厚さが持ち味の黒ブドウ品種がカベルネ・ソーヴィニヨンです。タンニンが強く、骨格がしっかりとしていて肉厚な印象で、濃い赤ワインと言えばカベルネ・ソーヴィニヨンをまず初めに思い浮かべる方も多いでしょう。カシスやプルーンなどの黒系果実の風味をもち、ハーブや青みのある野菜の香りのようなニュアンスもあります。

カベルネ・ソーヴィニヨンに合わせたい食材

濃厚な味わいの赤ワインには、イメージ通りお肉料理が合います。特にカベルネ・ソーヴィニヨンには牛肉などしっかりとした味わいのお肉が良いでしょう。またお肉だけではなく、カベルネ・ソーヴィニヨン独特のベジタブルな風味を活かして、ピーマンや春菊など青みのある野菜を使った野菜料理に合わせるのもおすすめです。

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黒ブドウ品種③ サンジョヴェーゼ

サンジョヴェーゼの特徴

サンジョヴェーゼはイタリアを代表する黒ブドウ品種です。カベルネ・ソーヴィニヨンよりも柔らかく、ピノ・ノワールよりも濃厚な味わいです。タンニンは強いものが多く、酸味も強くしっかりとしているのが特徴です。

サンジョヴェーゼに合わせたい食材

しっかりとした酸味が特徴のサンジョヴェーゼには、酸味のある野菜であるトマトを使った料理が良く合います。サンジョヴェーゼはイタリアで造られている品種のため、トマトを使ったピザやパスタなどのイタリア料理はもちろんのこと、バルサミコ酢など酸味のある調味料を使った料理との相性も抜群です。お肉料理と合わせるなら、軽めのタイプのサンジョヴェーゼには豚肉、重ためのタイプのものには牛肉を使った料理を組み合わせるとよりマッチしやすいです。

ワインと料理のマリアージュというと難しく考えすぎてしまうかもしれませんが、ワインに使われているブドウ品種の特徴と、それに合わせやすい食材のポイントをおさえるだけで理想のマリアージュにグッと近づくはずです。ここで挙げたものはマリアージュのほんの一例ですので、皆さんもぜひ自分なりにいろいろなマリアージュを楽しんでみてくださいね。

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逢沢 まいこ
大学時代、ヨーロッパへの留学をきっかけにワインに目覚める。某ワインインポーターにて法人向けの外勤営業として6年間勤務。在籍中にJ.S.A.ワインソムリエ、WSET Level 3を取得。休日に登山やキャンプにワインを持っていき、仲間と一緒にアウトドアでお酒を嗜むことが生きがい。