ワインのマナー レストランでワインを飲む~

ワインを飲みたいけど、ワインってなんだか難しそう。そんなあなたのために、ワインのマナーについて詳しく解説します。ワインのマナーを知っておくと、ワインをより味わうことができ、料理もますますおいしいものになるでしょう。ぜひワインのマナーを覚えて、楽しい食事の時間を過ごしてください。

第3回目は、レストランでワインを飲むときのマナーについてです。

レストランでワインを飲むときのマナー

ワインを選び、ホストテイスティングも済ませ、いよいよワインを飲みます。レストランで格好よくワインを飲むために、まずはマナーを頭に入れておきましょう。

ワイングラスで乾杯

ビールでの乾杯は、ジョッキをぶつけあわせて音を出すことがありますが、ワインで乾杯をするときは、グラスをぶつけ合わせないのがマナーです。ワイングラスは繊細ですので、ぶつけ合わせて音を出すと、かけてしまったり割れてしまったりすることがあります。グラスを胸や目くらいの高さに持ち上げて、相手の目を見て「乾杯」というだけで大丈夫です。

ワイングラスの持ちかた

テイスティングするときは、グラスの脚(ステム)を持つことは、前回のホストテイスティングのマナーでお話ししました。では、食事の間、グラスはどのように持つのが正しいでしょうか。日本では、ステムを持ったほうがなんとなくエレガントといわれ、ステムを持つのが一般的です。グラスのふくらんだ部分(ボウル)を持つと、手の温度でワインが温まるため、ステムを持ってワインを飲むことが勧められているということもあります。ただ、世界的には、ボウルの部分を持つのがマナーです。外国人が多い会食、国際的な場、海外に行ったときはボウルの部分を持ちましょう。

ワインを注ぐときのマナー

レストランでは、ワインを注ぐのはソムリエです。自分で自分のグラスにワインを注ぎ足したり、注ぎあったりしないようにしましょう。日本では日本酒を注ぎあう習慣がありますが、ワインを飲む際は、それはマナー違反になります。また、手の届かない位置にあるボトルを立ち上がって取りに行くのはもってのほかです。

特に、女性がワインのボトルを持ってほかの人にお酌するのはマナー違反です。ワインの国西洋では、レディーファーストの文化があります。そのため、女性にワインのボトルを持たせてはいけないのです。日本では接待の場合、女性はお酌したくなるかもしれませんが、ワインと給仕のプロであるソムリエに任せましょう。

グラスにワインがなくなったからといって、「注いでください!」と大声で注文するのはいけません。ソムリエが近くを通ったときに、目で合図して注いでもらいましょう。高級レストランのソムリエは、常にお客様のグラスの状態をチェックしていますので、催促しなければならないほど長い時間グラスが空いているということはないでしょう。

そして、ワインを注いでもらうときは、グラスを持ち上げないようにしましょう。日本では、日本酒のお酌を受けるとき、お猪口を持ち上げる習慣があります。ワイングラスを持ち上げると、注ぎにくくなってしまいますので、テーブルの上に置いたままにしましょう。持ち上げないので、せめてグラスに手をそえたくなりますが、それもサーブがしにくくなります。注いでもらったら、「ありがとうございます」と伝えると丁寧ですし、場の雰囲気がなごみます。

ワインは一気飲みしない

ワインは、少しずつ味わう飲みものです。ガブガブ飲んだり、一気飲みはしないようにしましょう。また、飲み過ぎてはいけません。ワインはアルコール度数が10~15%あります。チェイサー(水)を一緒に飲むようにしましょう。ワインの量と同量から2倍の水を飲むのとよいといわれています。ワインは、会話をしながら楽しく飲むもの。ワインを少しずつ飲みながら、食事の時間を楽しみましょう。

ワイングラスを回すときのマナー

グラスを回すことによって、ワインが空気に触れ、香りがより出て、味わいがまろやかになります。グラスを回すことをスワリングと呼び、スワリングすることによりワインが変化することを「ワインが開く」といいます。ワインを開かせようとぐるぐる回しすぎたり、手持無沙汰だからといって頻繁に回したりしないようにしましょう。スワリングしすぎるとワインの香りがとんでしまう場合もあります。また、勢いあまってワインをこぼしてしまうことにもつながります。

グラスを回す方向は、自分の方向(右手で回す場合は反時計回り)に回すとよいでしょう。そうすると、万が一こぼした場合でも、自分のほうにかかりますので、同席者への迷惑になりません。

うまく回せない場合は、グラスをテーブルの上に置いて、人差し指と中指で脚(ステム)を挟んで、グラスの台(ベース)を手でおさえるようにして、ゆっくり回してみましょう。

ちなみに、スパークリングワインは泡があるため、グラスは回しませんので、注意しましょう。

ワイングラスが汚れたときのマナー

食事をしながらワインを飲むときは、唇についている料理の油でグラスが汚れてしまう場合があります。多少でしたら気にしなくてよいですが、べったりとグラスに油がついているのはあまり見ためがよくありません。唇に油がついていると思ったら、グラスに口をつける前にナプキンでぬぐいましょう。

また、女性は、口紅がグラスにつくのが気になることがあります。食事の前にティッシュなどで唇をおさえておくとよいでしょう。グラスに口紅がつくのはしかたのないことですので、気にすることはありません。それでも、どうしても気になる場合は、指先で軽くぬぐいます。汚れた指は、ナプキンの内側でふきましょう。

ワインを断るときのマナー

ソムリエがワインを注ぎに来たときに、おかわりがいらない場合、「もういいです!」と大きな声を出すのはやめましょう。また、グラスを手でふさぐのも大げさです。グラスのふちに軽く人差し指と中指をそえると、もういらないという意思表示になります。断るときもスマートに断りましょう。

ボトルのワインが余ったら

注文したワインが飲みきれず、余ってしまったらボトルを持ち帰ることができます。すべてのレストランで持ち帰りが可能なわけではありませんので、確認しましょう。「ワインが残ってしまったので、あとでゆっくり楽しみたいと思います。持ち帰ってもよいでしょうか」と尋ねると、たいてい大丈夫です。ただし、グラスに注がれているワイン、抜栓していないワインは持ち帰ることができません。

高級レストラン、高級ワインの場合は、余ったワインは「お店のかたがたでどうぞ」といって置いてくるとスマートです。

香水に気をつける

レストランにはおしゃれをして行きますが、どんなにおしゃれをしても、香水をつけないのがマナーです。ワインは香りが非常に重要な飲みものです。香水をつけていると、ワインの香りを感じにくくなります。周りの人を配慮して、ワインを飲むときは香水をつけないようにしましょう。どうしてもつけたい場合は、足首に少しだけつける程度にしておきましょう。

同様に、タバコもにおいが強いため、控えましょう。

まとめ

いかがでしたか?ワインのマナーはけっして難しいものではありません。基本のマナーをおさえておけば、レストランでも安心して楽しくワインを飲むことができますよね。次回は、ワインを注ぐとき、おもてなしをするときのマナーについてお話しします。

太田 由歌
イタリア在住ワインコーディネーター。 2004年よりフィレンツェ在住。イタリアソムリエ協会ソムリエ資格保持。 トスカーナのワイナリーツアーを企画・主宰し、通訳案内もしている。 フィレンツェ・イン・タスカ代表