ワインの産地による味の違いとは? 主な産地ごとの特徴について解説

ワインは、産地によって驚くほど違った表情を見せます。

味の違いはもちろん、香りや見た目にもそれぞれのキャラクターがあります。

産地によって選ぶというのも、ワインを楽しむうえでの醍醐味のひとつです。

とはいえ、

「産地ごとの違いがわからない」

「そもそもワインの産地がどこか知らない」

という人も多いでしょう。

本記事では、ワインの産地や味の違いについて、詳しく解説します。

本記事を読めば、ワインに対する愛着が、より強く持てるようになるはずです。

ワインの主な産地と、味の違いについて

もっともワインの生産が盛んなのは、知ってのとおりフランスです。

湿度と温度が、ワインの生産地としてはあまりに理想的であると知られています。

土壌や日照時間にも恵まれており、とにかくフランスは最高の環境にあります。

ワイン製造の歴史も長く、製造技術も世界有数。

国を挙げてワイン製造に注力しており、品質管理も徹底。

フランス製のワインは世界中において20%のシェアを保っています。

まずはフランス国内にあるワインの産地を解説していきます。

ブルゴーニュ地方

フランス中央部に位置する、世界有数のワイン名産地。

ボルドー地方と並んで、「二大名産地」の一角として、世界中から評価されています。

ブルゴーニュ地方では、「単一品種のぶどうだけでワインを製造する」という文化が強く根づいています。

赤ワインでは「ピノ・ノワール」、白ワインでは「シャルドネ」使用。

これにより、シンプルかつ重厚な味わいのワインが生産されるというわけです。

初心者にもわかりやすいテイストでありながら、上級者が好む奥深さも兼ね揃えています。

したがってブルゴーニュワインは、世界中のワイン愛好家から愛されているというわけです。

ちなみにかの「ロマネコンティ」も、ブルゴーニュワインの一種です。

他にも「モンラッシェ」や「コルトン・シャルレマーニュ」もブルゴーニュ発のワイン。

ボルドー地方

フランス南西、スペインと隣接している地方です。

ブルゴーニュ地方と並んで、「二大名産地」として広く知られています。

作られているワインは、たいていが赤ワイン。

ボルドーワインは、「ワインの女王」というあだ名が付けられています。

それだけに高品質で、華やかな味わいを楽しめる、ということです。

豊潤な香りとパワフルな味わい、強烈な果実味とフレーバー感が特徴。

ある意味でもっともワインらしいテイストに仕上がっています。

ボルドーでは、「カベルネ・ソーヴィニヨン」や「マルベック」、「プティ・ヴェルト」をはじめとした黒ぶどうをブレンドする製法が主流。

基本的には辛口で、渋みや酸味などを楽しめるようなテイストに仕上がります。

「ラフィット・ロートシルト」や「シャトー・オー・ブリオン」などの高級ワインは、このボルドーで生産されています。

つまりボルドーは、赤ワインの頂点に君臨するものを数多く輩出しているというわけです。

「ボルドーのワインを飲む」ということが、「アルマーニのスーツを着る」というようなステイタスとして考えられている側面も。

ロワール地方

のどかな気風とたおやかな気候に恵まれたロワール地方。

全長1,000キロメートルにおよぶロワール川周辺にて、多くのワインメーカーが集中しています。

ワインに適した土壌がさまざまあり、多彩なキャラクターのワインを輩出している地域です。

フランスワインとしてはやや安価な傾向にあり、コストパフォーマンスは高め。

ロワールワインなら、安くて美味しいワインを楽しめるでしょう。

ロワールワインでは、「サンセール」という白ワインが有名です。

柑橘系の香りと、強烈なミネラル感は、他の地方では演出できません。

アルザス地方

フランス最北部、ドイツと隣接した位置にある産地です。

アルザスは、きわめて特殊な産地として知られています。

とにかく土壌の質が多様であり、したがってさまざまなキャラクターのワインが生産されています。

そういった背景もあり、アルザスのワインボトルには、使われているぶどうの品種が記載されています。

ぶどうの品種を参考にしてアルザスワインは選ばれるというわけです。

日照量が多く、アルザスのぶどうは伸び伸びと育ちます。

地形の関係で湿っぽい風が届かないので、品質も保たれやすい環境。

アルザスで作られているワインのうち、90%以上が白ワインです。

甘口から辛口まで、さまざまな白ワインを排出しています。

品質の高さとは裏腹に、価格が安いのも見逃せないポイント。

アルザスワインは、3,000円から4,000円程度で入手できます。

シャンパーニュ地方

シャンパーニュ地方は、フランス最北部に位置する、一大ワイン名産地です。

名前の通り「シャンパン」が産まれる地方として、世界中に知られています。

涼やかな温度と適切な湿度、そして理想的な土壌が広がっており、ワイン産地としては申し分ない環境。

シャンパーニュ地方で作られた高品質なスパークリングワインは、「シャンパーニュ」と呼ばれます。

「シャンパーニュ」という言葉には、たいへん重要な意味合いがあるのです。

シャンパーニュ地方以外では、「シャンパーニュ」という名前を冠することはできません。

シャンパーニュワインの特徴は、ほどよい酸味とテクスチャ、そしてフレッシュな香りであると言われています。

そこに炭酸の爽快感が加わり、唯一無二とも言えるキャラクターを演出。

世界中のワイン愛好家のハートを掴んで離しません。

ちなみに日本でも有名な「ドンペリ」各種も、シャンパーニュ地方で生産されています。

プロヴァンス地方

フランスにおいて、もっとも歴史の長いエリアがプロヴァンス地方。

長い年月で培われた製造技術により、素晴らしい品質のワインを製造しています。

年間を通して低湿かつ温暖な気候であり、生産地としてはかなり恵まれています。

プロヴァンスワインの特徴は、そのコストパフォーマンス。

良質なプロヴァンスワインは、2,000円?3,000円で手に入ります。

現在もプライス動向に変動の兆しはなく、しばらくはこの価格帯が継続されるでしょう。

ただし、最近では高級ワインの製造に取り組むワイナリーも存在するようです。

「安くて美味しい」というのがプロヴァンス地方の持ち味でしたが、どのようなワインを輩出するのか、注目されています。

ローヌ地方

ローヌは、フランス東部に広がる地域です。

ローヌ川という川が通っており、その周囲が生産地となっています。

北川では、「シラー」という黒ぶどうを使って、赤ワインが盛んに製造されています。

シラーらしく、力強くキリッとした味わいが特徴。

南部では、複数品種のぶどうをブレンドしたワインの製造が主流。

絶妙な組み合わせによる、バランスのよい赤ワインが楽しめます。

ローヌ地方は、黒ぶどうの栽培には申し分ない気候となっています。

したがってローヌワインと言えば、たいていは赤ワインかロゼワインです。

フランス以外の産地について

フランス意外にも、世界中には優秀なワイン生産国が、さまざま存在します。

以下のようなワインの生産国もおさえておくと、よりワインを楽しめるようになるでしょう。

イタリア

イタリアは、全国的に日照や気候に恵まれているため、ワインの産地としては理想的だと言われています。

イタリアは20の州から成る州立国ですが、すべての州でワイン製造が盛んです。

特に中央部は、フランスにも劣らぬワインの名産地。

「キャンティ・クラシッコ」や「スーパートスカーナ」など、名だたるイタリアワインを輩出しています。

ドイツ

ドイツは、白ワインの生産地として非常に有名な産地。

ドイツ中を突き抜けるライン川周辺ではぶどう畑が広がり、数多くのヴィントナーが点在しています。

「リースリング」という白ぶどうが特に好まれて使われているのも特徴。

なんと世界におけるリースリングの6割程度が、ドイツで栽培されています。

ドイツワインが持つ魅力は、フランスワインさえしのぐとも言われる「奥深い酸味」と「口当たりのよさ」。

飲みやすく、それでいてエレガントな味わいが楽しめます。

甘口のものから極辛口のものまで、ラインナップも豊富です。

<主要な生産地>

  • モーゼル
  • ミッテルライン
  • フランケンetc…

アメリカ合衆国

チリ

南米大陸に位置するチリも、ワインの産地として有名です。

アンデス山脈・フンボルト海流・アタカマ砂漠などの自然地形と現象が、ぶどう栽培に適した環境を作っています。

特に黒ぶどうの栽培地としては理想的であり、多数の赤ワインが製造されています。

チリワインの魅力は、圧倒的なコストパフォーマンス。

人件費や土地代などが安く、低価格で高品質なワインを製造できる状況がそろっています。

チリワインと言えば、カヴェルネ・ソーヴィニヨンを使った赤ワインが有名です。

これは「チリカベ」と呼ばれ、世界中で愛されています。

日本にも多数のチリカベワインが持ち込まれているので、目にしたことはあるかもしれません。

ちなみに日本は、チリからもっとも多くのワインを輸入しています。

ワインの産地としての日本

上記してきた国々と比較すれば小規模ですが、日本でもワインは生産されています。

かつてはワインの生産について無頓着でしたが、2015年あたりから盛んになりました。

日本では、「甲州」という白ぶどうと、「マスカット・ベリー・A」というぶどうが使われています。

あまり世界的に使われていないぶどうであり、日本ワインの特徴を形作っています。

甲州は、やさしい香りと口当たりのよい酸味が特徴。

非常に飲みやすい白ワインに仕上がります。

マスカット・ベリー・Aは、パワフルな果実味が特徴。

酸味と渋みはおさえ気味で、やはり飲みやすい赤ワインへと仕上がります。

かつて日本のワインは、明らかに世界と比較して劣ると言われていました。

しかし現在では、「欧州にも引けを取らない」という風に言われています。

まとめ

ワインは、産地によってさまざまな特徴を持っています。

産地が違えば、味や香り、色や価格帯も変わってくるものです。

もっとも有名な生産地は、やはりフランスです。

しかしそれ以外の国々でもワイン産業は成長しており、フランスワインにも負けないようなワインを製造しています。

ぜひ産地を覚えて、ワインを選んでみてください。 ワインの楽しさと奥深さが、より深く理解できるはずです。

タチバナイツキ
お酒はワインしか飲まない、レアなタイプの人間。 昔はワインの渋みがダメで飲めなかったですが、今ではすっかりワインに病みつき。 基本的にはロゼワインばっかりを飲んでいます。 本メディアでは、ワインの奥深さをより広くお伝えできるように頑張ります。