ワインをもっと楽しむ方法~味わいだけでなく、ワインの色にも注目してみよう!~

ワインの読み物

皆さんはワインと聞くと、どんな色のワインを思い浮かべますか?

真っ赤な色の赤ワインですか?それとも透きとおった白ワイン?もしくは可愛らしいピンク色のロゼワインでしょうか?

ワインには赤・白・ロゼ色があることは、皆さんすでにご存知かと思います。

ですが、この赤・白・ロゼワインの色の違いはどこからくるのでしょうか?

またワインの色は単純に赤・白・ロゼだけでなく、沢山の表現方法があり、とても奥が深い世界だということをご存知でしょうか?

まずは基本の3色のワインの色がどのようにして作られるのかを見ていきましょう。

赤・白・ロゼワインの色の違い

ワインの色は大きく分けて2つの要素によって決まります。

1つ目はワインに使用しているブドウの皮の色です。

2つ目はワインの醸造方法(ワインの造り方)の違いです。

この2つのポイントに着目しながら、それぞれのワインの造り方を詳しく見ていきましょう。

赤ワインの造り方

赤ワインは黒ブドウと呼ばれる、黒みを帯びた赤色の果皮をもつブドウを使って造られています。

赤ワインの赤色は、この黒ブドウの果皮の紫色の成分がブドウ果汁に着色してできたものなのです。

食用のブドウを食べる時、皮は剥いて、捨ててしまう方も多いと思いますが、ワインの造りにとってこのブドウの果皮はとても重要な役割を果たしているのです。

ブドウの果皮には、アントシアニンと呼ばれる色素が含まれていて、この色素がブドウ果汁につくことによってワインに色がつきます。

また果皮には渋みのもととなるタンニンも含んでいます。白ワインよりも赤ワインの方が渋いと感じるのはこのためです。

これらのアントシアニンやタンニンをまとめてポリフェノールと呼びます。

ポリフェノールは体にいいという話を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?

ブドウの果皮の他に、ブドウの種もこのポリフェノールを含んでいます。

ポリフェノールは白ブドウの果皮にも含まれていますが、黒ブドウの方がはるかに多く含まれています。

赤ワインは黒ブドウを皮や種ごとつぶして果汁に混ざった状態にして、10~20日間ほど発酵させます。

そうすることでブドウの果皮や種から色素やタンニンが抽出されて、赤色の果汁ができあがるのです。

つまり、白ブドウから赤ワインを造ることはできないのです。


おさらい

・赤ワインは黒ブドウから造られる

・ブドウの果皮と種を果汁と一緒に発酵させると赤ワインができる


白ワインの造り方

続いて白ワインの造り方です。

白ワインと聞くと、白ブドウから造られるというイメージがあるかもしれませんが、実は黒ブドウから白ワインを造ることもできるのです。

例えば、皆さん大好きなシャンパーニュに使われている主なブドウ品種は、シャルドネ、ピノ・ノワール、ムニエです。

シャルドネは白ブドウですが、ピノ・ノワールとムニエは黒ブドウなのです。

この3品種のいずれか、もしくはこれらをブレンドして造られます。

黒ブドウから造られるのに、どうしてシャンパーニュは白色になるのでしょうか?

(シャンパーニュにはロゼもありますが、ロゼについては後ほど説明します。)

実は同じ黒ブドウでも醸造方法を変えることにより、赤ワインと白ワインの両方を造ることができるのです。

白ワインを造る時は赤ワインと違って、果汁からブドウの果皮や種をまず初めに取り除きます。つまりブドウをプレスして潰し、ブドウから果汁を搾り取った後、果皮や種は使用せずに果汁のみを発酵させてできたものが白ワインになります。

黒ブドウは皮が黒いですが、果実や果汁は黒くないですよね?

ですので、果汁に黒ブドウの果皮の色素がつく前に、果汁と果皮を分けて果汁のみを発酵させると、果皮の赤色がついていない白ワインを造ることができるのです。


おさらい

・白ワインは黒ブドウ・白ブドウの両方から造ることができる

・白ワインは果皮と種を取り除き、果汁のみを発酵させて造る

ここまでで、黒ブドウもしくは白ブドウの果皮や種を取り除いて果汁のみを発酵させると白ワインになり、黒ブドウを使って果皮や種を一緒に発酵させると赤ワインになるということをご説明しました。

では赤と白の中間のピンク色を持つ、ロゼワインはどのようにして造られるのでしょうか?


ロゼワインの造り方

ロゼとはフランス語でバラ色、ピンク色などの意味があり、その言葉通り可愛らしいピンク色をしています。

ロゼワインは赤ワインと同様に、黒ブドウから造られます。白ブドウからロゼワインを造ることはできません。

ロゼワインの造り方は何種類かありますが大きく分けると、「赤ワインの造り方で造る方法」と「白ワインの造り方で造る方法」、「ブレンドして造る方法」の3つに分けることができます。

赤ワインの醸造方法で造る(セニエ法・マセラシオン法)

ロゼワインを造る最も一般的な方法です。

赤ワインを造るときと同じように、ブドウの果皮と種を果汁と一緒に漬け込みます。

ただし赤ワインとの違いは、漬け込む時間が短いことです。

赤ワインが平均10~20日ほどの期間漬け込むのに対し、ロゼワインは数時間~4日くらいと短い期間漬け込みます。

赤ワインのように赤色が完全につく前に、果皮と種から抜き取るとピンク色の果汁が出来上がります。

この抜き取った果汁を発酵させることで、ロゼワインを造ることができるのです。

この方法をセニエ法と呼びます。

このセニエ法で造られたロゼワインは比較的、濃いピンク色になります。

しっかりとした味わいが特徴の赤ワインが多く造られるボルドー地方などでは、もともとはロゼワインを造るためではなく、濃厚な味わいの赤ワインを造るために、このセニエ法を使っていました。

マセラシオン(果汁と果皮と種を漬け込むこと)の途中で果汁をある程度抜き取ってしまい、残った果汁をさらに果皮と種と一緒に漬け込むことで、よりタンニンやアントシアニンを多く含む果汁を造り、濃い味の赤ワインを生み出すことができるからです。

つまりロゼワインは濃い赤ワインを造ったときにできる副産物でもあるのです。

副産物というとおまけのようなイメージがありますが、このような方法で造られる赤ワインは品質の高いブドウなどを使用して造られる高級ワインの場合が多いので、同じブドウから造られる副産物のロゼワインもポテンシャルが高い可能性が高いので侮れません。

また赤ワインの副産物としてではなく、初めからロゼワインを造ることを目的として、この方法を使用する場合もたくさんあります。

ちなみに教科書や記事によっては、赤ワインを造る際の副産物として造る方法を「セニエ法」、ロゼワインを造るためだけにこの方法を使う際は「マセラシオン法」と名前を区別して表記している場合もあります。

白ワインの醸造方法で造る(直接圧搾法)

続いて、白ワインと同様の醸造方法で造る方法です。

はじめに黒ブドウを圧搾して、果皮や種を取り除いた果汁を取り出します。この際、黒ブドウの果皮からわずかに色素が出ます。このわずかに出た色素によって淡いピンク色の果汁ができます。このピンク色の果汁を発酵させてロゼワインを造るのです。

直接ブドウを圧搾した際に出る色素を利用しているため、この方法を直接圧搾法と呼びます。

直接圧搾法で造られたロゼワインはセニエ法で造られたロゼワインに比べて、淡い色合いのピンク色になります。

黒ブドウと白ブドウを混ぜて造る(混醸法)

セニエ法と直接圧搾法が黒ブドウのみを使用して造るのに対して、混醸法では黒ブドウと白ブドウの両方を使います。

醸造方法はセニエ法と同じで、黒ブドウと白ブドウを混ぜて果皮と種と一緒に漬け込み、ちょうど良いくらいに色が付いた時点で、果汁を抜き取って発酵させます。

この方法で造られているロゼワインはあまり多くはありませんが、ドイツのロートリングというロゼワインが、この方法で造られていることで有名です。

赤ワインと白ワインを混ぜて造る(ブレンド法)

ブレンド法は、すでに出来上がった赤ワインと白ワインをブレンドしてロゼワインにする方法です。

お家でワインを飲んでいる時に、赤ワインを飲んだ後のグラスを洗わずに白ワインを注いだら、ピンク色のワインになったという経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか。

実はこのロゼワインの造り方は、ヨーロッパのワインの法律では基本的に禁止されているのです。

ただし一つだけ例外があり、フランスのシャンパーニュ地方で造られるシャンパーニュのみ、このブレンド法でロゼワインを造ることを許されています。

多くのシャンパーニュは数十種類のベースとなるワインをブレンドすることで、味わいを調整して造られています。この複数のワインをブレンドすることをアッサンブラージュ(調合)と呼びます。

シャンパーニュでロゼワインを造る際は、このアッサンブラージュの際に、白ワインと赤ワインをブレンドすることでロゼワインを造っています。そのためシャンパーニュでロゼワインを造る方法をアッサンブラージュ法と呼びます。

またシャンパーニュでロゼワインを造る方法として、アッサンブラージュ法の他にマセラシオン法を使うこともあります。


おさらい

ロゼワインの造り方は大きく分けて3つ

  • 赤ワインの造り方(セニエ法・マセラシオン法)
  • 白ワインの造り方(直接圧搾法)
  • 黒ブドウと白ブドウ(もしくは赤ワインと白ワイン)を混ぜて造る(混醸法・ブレンド法)

ここまで赤・白・ロゼワインの造り方について説明してきました。

ロゼワインは造り方によって色の濃淡が変わるとお話しましたが、実は赤ワインと白ワインもいくつかの条件によって色合いが違ってくるのです。

どのような条件によってワインの色合いが変化するのか詳しく見ていきましょう。


ブドウ品種によって色が変わる

同じ赤ワイン・白ワインでも、使われているブドウの品種によっても色合いが変わってきます。

赤ワインのブドウ品種

例えば赤ワインに使われる代表的な品種としてカベルネ・ソーヴィニヨンとピノ・ノワールが挙げられます。

カベルネ・ソーヴィニヨンはボルドー地方原産のブドウ品種で、果皮が厚くしっかりとしたタンニンがあり、豊かな渋みのあるワインができることが特徴です。そのため色合いも非常に濃く、黒みを帯びた紫色などと表現されます。

その一方、ピノ・ノワールはブルゴーニュ地方でよく栽培されているブドウ品種で、カベルネ・ソーヴィニヨンと反対の特徴を持つブドウ品種としてよく比較されています。

ピノ・ノワールから造られる赤ワインは比較的色合いが淡く、明るいルビー色などと表現されることが多いです。

白ワインのブドウ品種

白ワインの色合いの違いは赤ワインに比べると、それほど顕著ではありませんが、やはりブドウ品種によって違いがあります。

例えば日本特有のブドウ品種として知られている甲州はかなり無色に近い色合いで、ややグリーンがかった淡い黄色をしています。

それと比較して、フランスのロワール地方でよく栽培されているシュナン・ブランは、ブドウの成熟度が高いものほど色調が濃く、明るい黄色からゴールドがかった色調までさまざまな色合いを持っています。

寒い地域と温かい地域によって色が変わる

ブドウが太陽の恵みをどれだけ受けたかによっても、ワインの色合いが変わってきます。

ブドウは太陽を浴びれば浴びるほど熟して、果皮の色素が濃くなります。

反対に、日照量が少ないとブドウの果皮の色は淡くなります。

そのため、温暖な地域で栽培されるブドウを使ったワインは、黒に近い赤色や、はっきりとした黄色などのように色が濃くなります。

寒冷地のブドウを使ったワインは、鮮やかな淡い色合いのルビー色や、若々しいグリーンがかった黄色になる場合が多いです。

また同じ地域で造られた同じワインでも、寒い年に造られたワインは比較的色も味わいも軽めに、温かい年に造られたワインは濃いめになる傾向があります。

多くのワイン愛好家がヴィンテージを気にするのはこのためです。

ただし、色が濃ければ濃いほど良いワインというわけではありませんのでご注意を。

熟成によって色が変わる

ワインは時間とともに、見た目や味わいが変化するとても不思議な飲み物です。

人間が年を取るにつれて成長していくように、ワインも時間が経ち、熟成を経ることにより変化していくのです。

ワインの色の変化から、そのワインが若いワインなのか、熟成した飲み頃のワインなのか、もしくはピークを過ぎてしまったワインなのか、判断の一つのポイントとしてみることもできます。

赤ワインの熟成による色の変化

赤ワインは大まかな特徴として、若いころは紫がかった色を持ち、熟成し年を取るにつれて黄色みが強くなっていき、だんだんと褐色がかった色に変化していく傾向があります。

ブドウ品種や醸造方法の違いにより、それぞれのワインの色合いに違いはありますが、一般的には、若い赤ワインの色を赤紫色、飲み頃の赤ワインはガーネットやルビー色、さらに熟成が進むとオレンジ色を帯びた赤色、その後赤橙色から赤褐色(レンガ色)などへ変化を遂げていきます。

白ワインの熟成による色の変化

白ワインの場合、熟成による変化は、黄味の強さを一つの指標としています。

ワインが若いうちは無色に近い黄緑色や、緑がかった黄色、淡い黄色など薄めの色から、熟成をするにつれて黄色の色合いが強くなり、ゴールド、トパーズ、琥珀色、そして熟成が行き過ぎると黄褐色などへと変化していきます。

ロゼワインの熟成による色の変化

ロゼワインも赤ワインや白ワインと同様に熟成によって色合いが変化していきます。

ただ熟成したロゼワインはあまり市場には出回っていないので、お目にかかる機会は少ないかもしれません。

ロゼワインは若いころは紫がかったピンク色をしていて、そこからチェリーピンク、オレンジがかったピンク、サーモンピンクなどへと変化していきます。

ただしどんなワインでも、熟成が進めば進むほど美味しくなるというわけではないので、そのワインに合った飲み頃を見極めていくことが大切です。

こういった熟成による色の変化を楽しむこともワインの醍醐味の一つです。

醸造方法によって色が変わる

ロゼワインの造り方でも少し触れましたが、醸造方法の違いによっても色の濃淡が変わってきます。

赤・白・ロゼワインに関わらず、マセラシオン期間(果皮や種と一緒に漬けている時間)が長いほど色合いは濃くなります。

また醸造の際に、樽を使用しているかいないかによっても色合いが大きく変わってきます。若いワインでも樽に入れて醸造・熟成されたワインは、濃い目の色調を持つものもあります。

その他にも、アルコール度数やブドウの凝縮度、ワインの健全性などによっても色合いに違いが出てきます。

このように様々な要因か複雑に重なり合ってワインの色が形成されています。

ただ赤・白・ロゼワインとして見るだけでなく、それぞれの色のワインの中でも、そのワインが具体的にどんな色の特徴を持っているのかなど、よく観察してみるとワインの楽しみがさらに広がるでしょう。

次回ワインを飲むときは、是非じっくりとワインの色にも注目してみてくださいね。

この記事書いた人

大学時代、ヨーロッパへの留学をきっかけにワインに目覚める。某ワインインポーターにて法人向けの外勤営業として6年間勤務。在籍中にJ.S.A.ワインソムリエ、WSET Level 3を取得。休日に登山やキャンプにワインを持っていき、仲間と一緒にアウトドアでお酒を嗜むことが生きがい。

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